自分ってなんだろうとモヤモヤしているあなたへ、西加奈子さんの「舞台」
こんにちは、今日の話題本は しなの がご紹介します!
先週は、
就活生必読!「何者」
をご紹介しました。
そして先々週は、
この秋ノーベル文学賞を受賞された
カズオ・イシグロさん
についての一冊をご紹介しました。
ぜひチェックしてみてください。
それでは今週の一冊をご紹介しましょう。
✳︎一番下に西加奈子さんのインタビュー動画あり✳︎
突然ですが、
あなたは自分が犯した失敗を周りに知られたくない、と思ったことはありますか?
その時、自分を恥ずかしいと思いましたか?
...誰にだってそんな経験はあるのではないでしょうか。
学校や職場、友達の前で、何かやらかしてしまった時や、
自分のせいでその場が気まずくなってしまった時など、、
その場しのぎはできても、
その失敗は絶対に人に話したくなくて、
どこかカッコつけている自分。
西加奈子さんの「舞台」に登場する主人公・葉太もまさにそう。
羞恥心があることさえ周りに知られたくない、自意識過剰な29歳の男性。
「舞台」の舞台はニューヨーク。
葉太が初めての海外旅行で、
次々と降りかかる様々なトラブルを乗り越えながら、
その度に自分と向き合って、成長していく物語です。
葉太は旅行中に、憧れていた「芝生で寝転がって読書」をしていた時にスリに遭い、
一文無しになってしまいます。
携帯電話と、わずかなコインと、読んでいた本「舞台」以外
持っていたもの全てをスられた大変な状況にも関わらず、
プライドが高く、他人の目を気にしてしまう葉太は、
この状況がとても恥ずかしくて、
大使館に助けを求めに行ったり、家族に連絡したりできず、
あてもなく彷徨うことになるのです。
この本で注目すべきところは、
葉太がニューヨークで一人彷徨っているうちに何に気づくのか、
自意識過剰な性格の葉太がどう変わっていくのか、です。
もちろん、葉太は帰国できるのかどうかも、重要なポイントです。笑
ちなみに私がこの本を読んだのは、留学から帰ってきた後でした。
留学中に葉太のような危機的状況にはなりませんでしたが(笑)、
葉太がニューヨークの街を彷徨うように、
私が留学生活を始めてすぐの頃は、
右も左も分からない中、急に異文化に放り込まれて、心の中で彷徨っていました。
それでも外側では強気でいようとする葉太の様子に、とても共感しました。
「自分を『演じる』こともある。
そんな自分も愛してほしい。」
と話す作家・西加奈子さん。西さんご本人が「舞台」に込めた思いはこちら。
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ぜひ皆さんも、
葉太と一緒に自分探しの旅に出てはいかがでしょうか?
次回は、
「告白」、「夜行観覧車」などで人気の湊かなえさんの作品で
最近文庫化された『豆の上で眠る』を紹介します!
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